ニュースやドラマなどで、フロントガラスが割れているシーンを目にしたことがあるだろうか。ひどいヒビが入っていても、ナゼかガラスの破片がバラバラに散らばってはいないことに気づく。万一の事故に備えて、ドライバーを怪我から守る工夫がされているのだ。
日本では、1987年から自動車の前面に合わせガラスを使うことが義務化された。合わせガラスは、ガラスとガラスの間に強靭な中間膜を挟み込み、加熱接着したもの。衝撃によりガラスが割れても、破片が飛び散らない構造になっている。
中間膜が衝撃を吸収するので、飛来物や事故でガラスが破損しても、飛散せず視界を確保してくれる。そのうえ…
体がぶつかっても中間膜が衝撃を緩和・吸収。破れにくい構造なので、ドライバーや助手席の同乗者がフロントガラスを突き破って外に投げ出されるのを防ぐ役割も。
強化ガラスは、主にサイドガラスやリアガラスに用いられている。板ガラスを700℃近くまで加熱したあと空気で急冷し、表面に圧縮応力層を形成させたもの。衝撃抵抗が、通常の同じ厚さのガラスの3~5倍あり、急激な温度変化にも強く、170℃くらいまで耐えられる。割れた時に、危険性の低い粒状の破片になるのも特徴的。
飛び石や落下物が当たってヒビが入るほかにも、意外な理由で自動車ガラスが傷つくことがある。愛車のガラスを長持ちさせ、また安全な走行につなげるためにも、以下の4つの心得を覚えておこう!
ガラスの表面に砂やホコリが付着したまま、汚れた布や雑巾でふき取るとかえって傷つくことがある。また、腕時計やアクセサリーなどの固いもの身につけたままだと、ガラスを傷つける恐れが。外してから洗車をした方が安心。
ガラス表面に泥や汚れが付着している状態でワイパーを作動すると、ガラスに傷をつける原因に。付着物をよくふき取り、ウォッシャー液を噴出してからワイパーを作動させよう。
サイドウィンドウを上下させる時、モール部分にたまった砂や異物によってガラスが傷つく場合がある。開け閉めの前に確認したり、こまめに洗い流したりしよう。
サイドガラスを半開のまま物を出し入れしたり、もたれかかったりするのはガラスが欠ける原因になるので危険。軽い割れでも、サイドガラスは一気に破損する可能性もある。
前の記事
クールベール対応車種<マツダ>次の記事
クールベール対応車種<ニッサン>