エアコンをつけて「さぁ、快適にドライブ!」のはずが…。車内温度を下げてもなかなか涼しく感じない。それどころか、肌が焼けるような暑さまで感じるのはナゼ?ドライバーを不快な気分にさせるあのジリジリ感、実は車内に入り込む太陽光が原因だった!
太陽光は、目に見える光の「可視光線」、目に見えない光の「紫外線(UV)」と「赤外線(IR)」の3つに大別することができる。今回着目するのは、その中の「赤外線」。「熱線」とも呼ばれる通り、物体に吸収されると熱に変わるという特徴を持っている。炎天下の中、ちょっと駐車して戻ってくると、ハンドルや座席シートが熱くなっていてウワッと思うことがよくあるが、これこそ赤外線の仕業なのだ。
赤外線をもう少し細かく分類すると、波長の短い順に「近赤外線」「中赤外線」「遠赤外線」の3つに分けられる。特に聞き慣れているのは遠赤外線だろうか。遠赤外線グリルや遠赤外線ヒーターなど、生活の中で有効活用されているのはご存知の通り。近赤外線も実は身近で、赤外線通信や家電のリモコンなどに応用されている。
夏のドライブ中、車内温度を低く設定していても、太陽光が肌に当たると人はジリジリとした暑さを感じてしまう。AGC旭硝子の研究によれば、そのジリジリ感の主な要因となっているのが、波長1500〜2200nmという「中赤外線」の光。中赤外線をカットできない自動車ガラスでは、日射しを受けて約30秒でジリジリ感を感じるそうだ。つまり信号待ち程度の時間で、一気に不快指数が上がるということ。
愛車の窓に紫外線カットフィルムを貼っている人は多いかもしれないが、運転中のジリジリ感を軽減するなら中赤外線をカットすることも重要と言えそうだ。ジリジリ感を抑えることができれば、ドライブ中のエアコンの効率を上げることができる。ひいては、車の燃費を抑えることにもつながるのだ。
では、中赤外線をカットするにはどんな手段があるかというと…。例えば窓に透明断熱フィルム(IRカットフィルム)を貼る、車用サンシェードで日光を遮る、というのがこれまでの一般的な方法。しかし!赤外線カット率(&紫外線カット率も)を重視するなら、自動車用のUV&IRカットガラスに注目したい。例えばAGC旭硝子による「クールベール」2枚のUVカットガラスの間の中間膜に、中赤外線カット剤を練り込んだ画期的な構造。ジリジリ感を感じさせる中赤外線を約90%以上カットし、さらに日焼け・シミの原因となる紫外線を約99%カットするというスグレモノだ。これで、愛車でのドライブがさらに楽しく快適に!