強い日射しの下にいると目がチカチカしたり、充血して涙が出てきたり…。そんな経験がある人も多いのでは。紫外線は肌だけでなく、目にも大きな悪影響をおよぼしている。紫外線がピークとなる夏、目のガードを怠ると一体どんなリスクがあるのだろうか?
レジャーやドライブでも日常生活でも、肌に日焼け止めを塗ったからと安心するのは早い。なんと、目から入る紫外線は、顔や体の日焼けにもつながってしまうのだとか!目が太陽の光を感じるとその刺激が脳に伝わり、防衛反応として「メラニンを作れ」という指令が出される。これによって、肌のシミやくすみが増えてしまうというわけだ。
現代人は、ドライアイに悩まされる人が多い。パソコンやスマートフォンの画面を長時間見続けるなどで、目が酷使されていることが原因と言われている。でも実は、紫外線によるダメージもドライアイの一因。紫外線を浴び続けると涙の量が減り、目の表面が乾きやすくなってしまうのだ。そして角膜や水晶体にダメージが蓄積されると、視力低下や眼病の発症リスクも高まる。もう、「目の日焼け」に無防備ではいられない!
目は他の臓器と違い、唯一外部にさらされているため、直接的なダメージを受けやすい。紫外線のほとんどは角膜や水晶体で吸収されるものの、一部は目の奥の網膜まで到達。このダメージが蓄積されると、目の老化を促進させ、やがては眼病を引き起こす。
●紫外線角膜炎
強い紫外線を浴びると、黒目の表面に炎症が起こる病気。目の充血や痛み、涙が止まらないなどの症状が出る。
●白内障
紫外線により水晶体のたんぱく質に変化が起こり、水晶体が濁る病気。症状が進むと失明の危険性もある。
●翼状片
白目の組織の細胞が異常に増殖して、黒目に食い込んでしまって起こる病気。初期症状では、充血や異物感、ドライアイ、眼精疲労などが現れる。
●加齢黄斑変性症
網膜の中心部にある「黄斑」に異常が生じる病気。中高年以降の失明原因のひとつであり、物がゆがんで見える、視野の中心が欠ける、ぼやけて見えるなどの自覚症状が挙げられる。
日射しの強い日や、長時間外で過ごす日などは、UVカット機能の付いたサングラスやメガネで目をガード。車の中での日焼け対策なら、紫外線を99%以上カットするフロントガラス「クールベール」も有効。また、体の内側からの対策もあなどれない。目の網膜や水晶体の働きを支える栄養素として注目されているのが、「ルティン」。ほうれん草やケール、ブロッコリー、豆類など、ルティンが多く含まれる食材を積極的に取り入れてみては。